愛犬コロとの思い出
愛犬コロとの出会いは、たぶん中学1年の時だったと思います。友達が休み時間に子犬が昇降口の所にいるよと教えてくれたのが事の始まりです。私は子犬見たさで廊下を駆け足で吹っ飛んで行ったのです。普段先生が言っていた「廊下は静かに歩きましょう」という教えなど、頭の片隅にも有りませんでした。現場到着はたしか私が一番だったと思います。
私は、授業の事などすっかり忘れ子犬を抱くことに夢中でした。教室にもどると、昼食用の瓶入り牛乳が配られていたのです。私はその場で牛乳を子犬に飲ませることに成功しました。それから、体育の道具を保管してある部屋に子犬を隠し、残りの授業を受けたのです。
午後の授業は全く身に入らず下校を待つことにしました。帰り道は今でも鮮明に覚えています。子犬を抱っこしながら友達とあーだこーだと言いながら家に帰ったものです。友達の少ない私にとって、彼の存在はありがたかったのです。
それから年月が過ぎ私が20歳、飛び石おきで午前様いうところの朝帰りでした。そんな時でも彼は私を優しく迎えてくれました。二人の間には言葉は不要でした。20分程互いに心を通わせたころを見計らって母が廊下の戸を開けてくれるのです。亡き母も心得たもので有難かったです。
家族も彼をかわいがってくれました。特に亡き父は「コロから先に・・・・」と言い、ご飯を真っ先にあげたものです。彼は、それから2年後くらいに病で亡くなりました。お墓はとうぜん我が家の畑の中、私が父の許しを得て丁重に埋葬したのです。
彼との付き合いはたった10年位でしたが色々なことを教えてもらいました。「お話しする時には相手の目を見て話しましょう」「真心をもって付き合いましょう」と、愛犬コロは本当に純情な家族の一員でした。彼のお墓参りはこの方しておりません。コロナが明けたら実家に帰りお参りをする予定です。ありがとうコロ。あなたは愛犬を大切にしておりますか。